平成12年の建築基準法大改正以降建築された、新設住宅の役44%が木造でそのほとんどの家が骨組みを基礎から金物で固定し、改正前より耐力壁を増やし、家自体を軽くして地震に強い家を造っています。
しかし考え方によっては地震に対して真っ向勝負的で人間は自然に勝てるのでしょうか。
津波や台風、大雨、山火事などは死傷者が出る事があります。
これらは事前に予測出来ていても被害が出てしまい、地震というのは予測するのが非常に難しく仮に予測したとしても対策を取りにくく交通機関の停止や防災対策は経済に非常に大きな負担となります。
自然が相手なら自然(自然の法則?)のままに建っているのが伝統工法の様な気がします。
伝統工法の象徴と言えば法隆寺の五重塔で、1300年の間一度も倒れる事無く(日本中のどの塔もそうですが・・・)今に至っています。飛鳥時代に建てられたのですが、その時代に壁量計算や構造計算などある訳も無く、大工の知恵と技術、自然の法則のままに建てられた塔は1300年の歴史が証明しています。
伝統工法は大黒柱と言って太い柱(24cm〜36cm)を家の中心に建て差鴨居、差大引(足固め)、地棟(上棟日や施主と大工の名前をこの材に記す)五寸角の通し柱等の構造材から形成され、古い日本家屋は殆ど石の上に家が載っている(座っている?)という石端立てや据え置き土台で、地面と家が固定されていない工法です。瓦も現在は殆ど乾式で瓦を釘で止めますが以前は屋根土の上に置いてあるだけです。壁は土塗り壁が殆どで、100%自然素材で造られています。
しかしこれらの工法は手抜きでも古臭い工法でもありません。
長年の日本の風土に合わせて家が進化してきた姿ではないでしょうか?
家と地面が固定されていないのは地震時の力をもろに吸収しなく、免震構造となります。屋根瓦が釘で固定されていないのも直下型の大地震時には屋根から瓦が落ちて屋根を軽くし耐震作用が起こっています。
又、土塗壁は"たわみ"があることで地震時の揺れを吸収して、更に強い揺れにはあの土壁が剥がれ落ちる事によって制震作用が起こり、仮に土壁が全て剥がれ落ちてしまっても壁の中に"貫"が通っていてこれが家の倒壊を防ぎます。
家自体が大倒壊していなければその後の修復工事にかかる費用も少なくて済みます。
伝統工法は、
"はがれる"事により家自体が大倒壊するのを防ぎ、人命を守る自然が生み出した天然免震住宅的要素がある
のではないか?と考えています。
日本には四季があり寒暖の差や湿乾の差も大きく結露の問題やハウスダストの問題を起さないのも土壁です。
今流行の珪藻土なども土壁にある程度の厚みを施工することによって初めて珪藻土本来の性質を引き出すことができ、石膏ボードに薄く施工しても前途ほどの効果はありません。
日本の真夏の日差しを遮るのも瓦は非常に優れています。
炎天下の瓦の表面は火傷をするほど熱くなっているのはご存知ですか?
台風時の横殴りの雨や夕立等の大雨も日本瓦は一列一列が樋になっていて、雨水を落ち着かせて軒樋に流れる仕組みになっていて、雨音などの防音効果もすぐれています。
伝統工法は構造材の露出部分が多く木材は呼吸していますからクロス張りの住宅とはまた違う心地よさ快適さがあり何より自然素材が健康です。
木組みだけでなく屋根瓦、壁土等全てが兼ね合い初めて伝統工法と言えます。
現在、私共の様な個人事業の大工は皆、新しい日本の家を築こうと日々必死に努力して、今までの型にはまった大工の家で無く開放的で温故知新のお洒落な日本家屋になりつつあり、大工のこだわりだけで伝統工法を推薦している訳ではなく、
ただ自然に、本物の木のよさを住む人に肌で感じて頂き健康に暮らして欲しいだけです。
伝統工法や自然素材などと申しますとコストが高く思われがちですが、現在我々が使用している木工機械は発展していて以前の手加工作業よりは格段にスムーズに行え、木材の流通ルートも非常に広くなり、よい国産優良木材(木曽檜、岩手松、青森ヒバ、吉野杉)が入手しやすくなっています。
集成材や輸入材を使用する大手メーカー様よりは1〜2割のコストダウンが見込まれます。
施主様のプランに合わせて施工させていただきます。
おおしま家大工店 大嶋健吾